ファッション

ファンと”共創” ライブコマーサーももちの「ブランドの作り方」

 SNS総フォロワー數66萬のインフルエンサー、ももち(牛江桃子)のプロデュースするアパレルブランド「リル アンビション(Lil Ambition)」が11月27日にローンチする。商品の企畫やデザイン、生産、ECサイト構築、物流はエニーマインドグループ(AnyMind Group)が支援する。パルグループの人気ファッションブランド「カスタネ(KASTANE)」の元アパレル店員で現インフルエンサー、ライブコマーサーという背景を持つももちが、ファンとの共創により生み出した、まさに今の時代を象徴するブランドだ。

 ブランド名には“小さな野望(Little ambition)”の意味を込めた。ももちは「夢はすぐ葉えられるものじゃなく、一歩踏み出すのも勇気がいる。この服を著ることで自分に自信を持ち、小さな野望を葉えてもらい、さらに一歩踏み出して大きな野望を葉えて欲しい」とコンセプトを語る。そのため、ファーストコレクションではコンプレックスを解消して自信が持てる、“細見え”服を5型、アクセサリー3點を揃えた。

 「リル アンビション」の“野望の後押し”は服にとどまらず、10月にはブランドメンバー、リル アンビションプレス(以下、リルプレス)を募集した。ももちは「ファンの子から、SNSで活動したいが不安がある、周りの目が気になるという聲を聞き、夢を葉える一歩として募集した。リルプレスには一緒にブランドを盛り上げてもらい、コーディネートをSNSに投稿してもらう。そうやって小さな野望を葉えていく活動」だと説明する。

 募集開始からわずか10日間で約1000人の応募があり、その中から10人が選ばれた。メンバーは既にスナップ撮影や一般客向けの展示會スタッフ、またブランドのライブ配信などで活動している。

 メンバーは低身長から高身長まで身長別に選ばれ、リアルなモデルとしても活躍。「採用基準は熱意。書類応募では作文のように夢や野望を語ってくれて、面接ではボードを掲げてプレゼンする子までいた。私自身、人間性や熱意を大事に活動している。熱意があるから行動や拡散につながると思う。とにかく熱意が大事」。

 こうした熱意を受けるのは、これまでの発信の影響だ。「私の人生がブランドコンセプトにも反映されている。ニートだったこと、アパレル販売員だったこと、挫折したこと…話してきた人生観に共感して、ブランドのファンになってくれた人もいる」。ただし、屆けたい相手は自身のファンだけではない。「誰もが“小さい野望”を持ったことがあると思う。ファンだけに屆けたいとは考えていないので、ルックにも私は出ず、“ももち感”を出さないようにしている」。

共創にはファンが參加する“仕掛け”が大事

 ブランドはファンとの共創を重視し、參加しやすい“仕掛け”を生み出し続ける。「ライブ配信でも『コメントしてね』と言っただけでは、相手はコメントできない。『今この商品について、この色をどう思うか、はい?いいえでコメントをしてね』など、具體的にお願いする必要がある」。

 展示會前には、コーディネートをSNSでシェアするための共通ハッシュタグを、ファンと考える配信を実施。「配信前日にインスタグラムの質問機能で案を募集。ライブ中にピックアップしながら『これとこれなら、どれがいいかな?コメントで教えてね』と具體的に投げかけて決めていった」。こうした活動は単発ではなく、商品作りから売り方まで、すべてストーリーでつなげていくことが共創においては重要だといい、「リル アンビション」ではファーストサンプルの段階からファンの聲を聞くライブ配信を実施した。

 配信ではさまざまな意見が屆くため、多様な意見が対立することもある。実際、ファーストサンプル配信の時にも丈の長さに関して意見が出た。「服の丈については好みの問題。すべてを服に反映するだけでなく、服のバランスを見て意見を取り入れる。反対の意見を下さった方には、ライブ配信で『どう著るか』を提案する」。

 例えば長いスカートに対して短い丈を望む聲があれば、短い丈を好む人にマッチする著こなし方、靴などの合わせ方を紹介する。「意見をもらえると、何を不安に思うのか知ることができる。その不安をライブ配信で解消すれば、心が動いて買ってくれる。こういった提案は動畫や投稿じゃなく、ライブ配信でやるほうがいい」。

「ワクワクさせるのがライブコマース」

 ももちはブランド設立以前から“毎日22時から生配信を行うファッションライバー”として、連日配信を続けており、ライブ配信で紹介したものが即完売する「#ももち買い」という消費行動も起きた。過去には他社コラボの服が數日で7000著売れたという。そんなももちのライブ配信のコツが“想像”だ。

 「お客さんに想像させるワードを出すようにしている。例えば、『この服に白のニットを合わせたら可愛くないですか?それにイヤリングもつけて、ヘアをアップしたら可愛いですよね』とか、具體的にコーディネートを想像できるようにする。ライブ配信だとコメントで色々意見をもらえるので、それにまた別の提案で返す」。この技はアパレルスタッフ時代からのものだといい、「お客のワードローブは店舗にはないので、言葉で想像してコーディネートを完成させるのは同じこと。そして著ていくシーンまで想像してもらう。ワクワクさせるのがライブコマースだと思っています」。

 當然「リル アンビション」でもライブ配信を重視し、ローンチ前も連日配信を行う。毎日ライブ配信を続けた。毎日同じ時間に配信するのは、見ている人のルーティン化するため。朝にニュース番組がやっているように、22時は“ももち配信”と覚えてもらう。

 それでもマンネリ化しないコツは、「ライブ配信の內容もファンから募集する。自分が考えた內容が配信されていたら見たくなる。自己満じゃなく、常にファンが見たい企畫をする。參加形にすると飽きることがなくなるはず」。コミュニケーションを引き出し、一緒に考え、提案する。ももち流のライブコマース術が、「リル アンビション」を服だけじゃないブランドに育てていく。

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